関連する国際規格

ユンカー振動試験
現在広く普及しているボルトジョイントを検証する振動試験は2種類あります。

締め付け軸力とは、加えられた締め付けトルクが、ボルト/ナット座面およびねじ部の摩擦抵抗により奪われた後に締結体に残存する力量を指し、締結体が締め付けを行う力である。
この軸力センサーにより、ユンカー振動試験ではどの程度の軸力が振動によって失われているのか、また軸力を完全に失ってしまう時点を特定・決定することができる。

振動に起因するボルトジョイントの自己緩みのメカニズムは、多方面の研究により解明されて来ています。 1969年、ドイツの工学博士であるゲルハルト・H・ユンカーが発表した、ボルトジョイントが剪断方向の振動を受けた際に発生する戻り回転のメカニズムについての論文を、ドイツ自動車エンジニア協会が認定。DIN 65151として規定する実証試験規格とし、その発表論文に記載されていた試験方法および装置を用いた試験が、後にユンカーの名を冠してユンカー振動試験（またはユンカー式振動試験）と呼ばれるようになった。また、近年になって DIN 65151 規格にて明確に規定されていない振動数や振幅、更には二硫化モリブデンペーストでの潤滑など試験方法の詳細点や試験結果のレポート方法に至るまでを規定した新たな規格、DIN 25201 が2010年に制定された。　2015年、DIN25201を発展させ、更に改善したISO1610が発行され、現在それが主流として使用されてます。

ボルトジョイントの締め付け要素の国際規格
ISO16047：2005　Fasteners torque/clamp force testing (JISB1084:2007 締結用部品―締め付け試験方法） DIN946: Determination of coefficient of friction of bolt/nut assemblies under specified conditions
ボルトジョイントを、規定された状況で締め付け、その時の締め付けトルクとそれに対応する軸力の測定結果から、摩擦係数、Kナットファクターの演算する規定です。

ねじ付きファスナーの材料、表面仕上げ、鍍金、コーティング、あるいは、ねじロック接着剤の開発では、ねじ山とファスナーのヘッド座面領域の両方の摩擦係数を測定し制御する必要があります。 Vibrationmaster　JJ122シリーズテストスタンドは、これら国際規格が装置に要求する仕様と締め付け条件を完全に満足させ、そっれと同時に試験制御・演算分析ソフトウェアーTEST SUITEで、国際規格に沿った締め付け要素の結果をリアルタイムで得られます。 国際規格が規定しているナット係数 K の計算式は次のとおりです。

T = K d F : 簡略化されたトルク/張力方程式
K= (1/d) x [0,159*P + 0,578*d_2*μtot) + (D_Km/2)*μK]
d:ボルトの呼び径
P:ねじピッチ
d_2:ピッチ直径
D_Km:平均軸受径/首下
μtot:ねじ摩擦係数
K:ナットファクター(頭下摩擦係数)

国際規格が最も厳しく規定しているのは使用するワッシャーであり、締め付け試験中にいかなる回転もさせてはならないとし、表面研磨筋の方向まで規定されています。
ワッシャーの規格
ISO7093-1：2000　Plain　washers/Large　series/ Part1: ProductgradeA2 ISO4759-3：2016　Tolerances for fasteners -- Part 3: Plain washers for bolts, screws and nuts -- Product grades A and C

クランプ長比
締め付け完了時のボルト座面とナット座面間の長さと、試験ボルトの呼び径との比を、"クランプ長比"として国際規格は、厳しく規定しています。
DIN規格は、1：1.7、ISO規格は、径により1：2.0 or 2.5

これを規定しているのは、ボルト軸の伸びを考慮しているからです。　つまり、クランプ長が長ければ、同じ軸力を得るのには、より多くの締め付けトルクが必要になるからです。

Vibrationmasterは、ボルトサイズでこのクランプ比になるようにしたファスナー取り付けアダプターを用意していますから、ユーザーの試験がDINかISOによりアダプターを種々選択できます。　あるいは、ユーザー指定のクランプ長比のアダプターの製作もできます。